間口15m奥行55mの緩やかな斜面になっている250坪の丘の敷地をそこから望む瀬戸内海の景観と同調する海原にみたて、丘に浮かぶ空母の様なイメージをもたせた自邸である。
敷地の約2mのレベル差を利用したスキップフロアとし、敷地の有効活用と空間の繋がり、小屋裏空間や地下空間の活用などあらゆる面において、ロジカルに捉えている。また自邸と言うこともあり、想定できる将来的な時間軸に対するフレキシビリティーについても思いを巡らせ、結果的には一周廻ってシンプルな型に落ち着いた。2人の子供達の成長と共にこの『丘の空母』がどんな風に使われ、どんな変化と効果をもたらしたかは、私の建築士としての経験上、得難い財産となった。また適材適所の観点から、RC造、重量鉄骨造、在来木造の3つからなるハイブリッド混構造を採用し、それぞれのエリアにおいて、暮らしのシュミレイションも出来る実験的な住宅となった。良くも悪くも設計者自らが住まうことで得られる経験を未来の設計に活かしていければ幸いである